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どうしても人に薦めたくなる良書「ローマ法王に米を食べさせた男」

廣田 泰規
2015.08.13

ローマ法王に米を食べさせた男

 

著者は石川県羽咋市役所に勤務している公務員 高野誠鮮さん。
ある日農林水産課に飛ばされ二つのミッションを託されます。
 
1、過疎高齢化集落の活性化
2、農作物を一年以内にブランド化する

 
石川県羽咋市の中でもっとも高齢化率の高い神子原地区。
住民のほとんどが棚田で米作りをしている農家であり、神子原地区の農家の平均所得は年間87万円。
そんな集落を活性化するために彼が役所に約束させたこととは。
 
■市に申請した予算は60万円だけ。
■その代わりに稟議書は書かない。
■報告はすべて事後報告。
■会議はしない、企画書も作らない。

でした。
自分の信じたやり方をスピーディに実践するためにまずは役所に楔を刺したのです。
で、行った活性化策とは
 
■空き農地、空き農家情報バンク制度で移住者を増やす。
■棚田の米オーナー制度で外部の人間を集める。
■鳥帽子親農家制度で若者を呼ぶ。
■JAに頼らず直売所を作って自分たちの売りたい値段で作物を売る。
■ロンギング作戦で神子原米をブランド化する
■UFO伝説で村おこし

 
上記の事をただやるだけでは成功しません。
本当に成功し成果を出すために彼は策を練る。
で、彼は物凄い策士なんですね。
ある時は人間の心理、心情を上手く利用して最大のPRネタを得てマスコミを焚き付ける。
またある時は人間の心理、心情を上手く利用して村人を一つにまとめる。
 
地元の新聞で話題になっても本当の村おこしにはなりません。
巻き込んだのは
 
■アメリカのAP通信社
■フランスの通信社AFP
■イギリスのロイター通信
■イギリス領事館
■宮内庁
■エルメスの書道家吉川壽一氏
■ローマ法王庁
■NASA
■アメリカ国防総省の許可が必要な人工衛星
■史上最年少でミシュラン三ツ星を獲得したアラン・デュカス

などなど。
 
日本人はどうやら自分たちの身近な文化を過小評価するようです。
海外で評価される方が分かりやすいんですね。
 
しかしながら一筋縄では行きませんよ。
これまでの成功の道のりには様々な壁が立ちはだかります。
不可能と思い込んでいることでも躊躇わずに行動し、常に策を考えることで乗り越えていく。
その一つ一つのエピソードがとても面白く、勉強にもなり、涙腺が緩む感動的なエピソードも多いです。
 
 

特に考え深かったのが村のコミュニティが不良外国人を更生するエピソード。
鳥帽子親農家制度で外国人の若者を受け入れた神子原地区。
ニューヨークのような大都会では自分自ら働きかけないと誰も構ってくれません。
東京も同じでしょう。
ですが、村では一人構われずに過ごすことは出来ません。
どこに行こうと、かならず村の人に見つかっては声をかけられ、遊びほうけていることを注意され、また時には体調を心配され、
人懐っこく声をかけられる度に徐々に心を開いていく。
やがては彼は草刈りを手伝うようになり、畑仕事を手伝うようになる。
とかく日本の村社会の暗い側面ばかりが報道される世の中ですが、
なんだか悪い側面ばかりじゃないようです。
このエピソード、今後日本の地方創生のヒントがあるように思います。
 
日本には世界に誇る文化や資源ってまだまだ眠っている。
そしてそれは地方文化に眠っているのだけれど、早く発見しないと今まさに息絶えようとしてる。
そんなことを考えさせられる良書でした。

 

投稿者:廣田 泰規
2015.08.13 | 20:31
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