「なんてエキサイティングな話なんだ。」
SF小説の傑作と言われる「星を継ぐもの」を読み終えた直後の私の感想。
この小説、勇敢で強靭な精神力を持った選ばれし人間が宇宙を舞台に活躍するようなスペースファンタージではない。
この物語は宇宙服を着た人間そっくりの遺骸が月で発見されることから話が始まる。
検証の結果5万年前の遺骸だと判明する。
その事実を基に生物学、物理学、言語学など様々なジャンルの科学者が新たに判明されて行く事実に対して仮説を立て、議論、検証し、科学的根拠で謎を解明していくという話です。
学者たちは凡ゆる角度で仮説を立てるのですが、すべての事実に辻褄が合う仮説が見いだせない。果たして誰もが納得するパーフェクトな仮説が立てれるのかという筋書き。
ですので登場人物は学者ばかりのSF小説なのです。
私のような既成概念に囚われつつあるいわゆる普通の大人の発想力を遥かに超える仮説が実証されていく様に「なんてエキサイティングな話なんだ」ってなるわけです。
1980年に和訳され、35年も前のSF小説なので現代の科学的に立証された事実とリアリティの面で乖離してやしないかと読む前は心配しましたが、そんな心配は一切無用。
そこかしこで喫煙をするシーンだけは時代を感じさせますが。
普段、深酒をすると活字なんて到底読めない私ですが、この小説は深酒しながらも、読み続けられたほど先の展開が気になる小説でした。
みなさんもよろしければサイエンスの世界にちょっと酔いしれてみませんか(深酒とかけてみましたよ!)
ご静聴ありがとうございました。