6月24日土曜日。
カミさんが生駒に住んでいる友人の家に用事があるとかで車で送って欲しいとの事。
12時に友人と待ち合わせをしているのだとか。
用事は17時頃までかかるらしく、4時間~5時間程度、時間を潰しておいて欲しいとな。
そして17時頃を見計らって迎えに来て欲しいという。
どうやって5時間程度の時間を過ごそうか。
暗峠を歩いて暗越奈良街道までハイキングというのが時間的にもちょうど良さそう。
最近運動不足で体力の衰えを痛感しているので運動がてら暗越奈良街道まで歩いて登ってみることに。
近鉄生駒駅で車を停めようと駐車場を探すものの1日800円とリーズナブルな駐車場は軒並み満車。
あらら、これは急がないと駅周辺で車を停めれないかもと思い、目に飛び込んできた「空車」の表示に思わず車を入れた駐車場はなんと1日1500円。
それでもほとんど満車に近い状態。
生駒の駐車場事情に詳しくないので致し方なしです。
近鉄生駒駅から電車で移動し南生駒駅まで3駅ほど。
12時45分に近鉄南生駒駅に到着。
南生駒駅を出て南に100mほど歩く。
美味しそうなパン屋さんがあったりする。
そして踏切手前の三叉路を右へ。(南生駒駅を降りて南に下って最初の三叉路)
しばし道を悩む、これかな、それとももう一つ向こうかな。
線路沿いを流れる川を渡ります。
橋を渡り終えると暗峠は右への標識があります。
この標識、私は気づきませんでした。
生駒市の観光ガイドではたばこ屋が目印とあったので・・・
たばこ屋なんてないけどなぁ・・・って事で頭がいっぱいに・・・
そして多分こっちなんだろうなぁって感じで進んで行ったのです。
帰りの際に今一度確認して見るとなんだ標識があったんだって。
約30mほど進むと「小瀬町西」交差点。
どうやらこの道を直進すると暗峠のよう。
交差点を渡るとすぐに上り坂。
段々と坂の角度が急になってきます。
南生駒駅から歩く事約25分程度の場所。
駅から暗峠までは約4km。
何も飲むものを持ってなかったのでここで飲み物を確保。
どうやら時間の目安として暗峠までは駅から1時間30分程度歩く必要があるとの事。
ボチボチと歩いていると風情のある古民家が・・・
KEC古民家しょん・・・
カフェ?・・・
って調べてみると奈良の学習塾が築100年の古民家を購入して学生向けに寺子屋型のインターンシップを開催しているのだそうな。
とりあえず駅から30分歩いた地点。
先はまだまだのよう。
でもすでに汗だく。
どうやらバスが往来してるよう。
気温は29℃。
このあたりで数名のハイキング客とすれ違う。
みんな午前中に登っているんでしょうね。
午後のこの時間、アスファルトの上を只ひたすら登るのは結構キツイ。
意識が朦朧としてるせいでしょう。ピントが合ってない。(なんて嘘です。)
手ブレ補正なしのレンズを使用してズームで焦って撮ったのでブレました。
丸々と太ったトカゲに遭遇。
活発な生き物の息吹を感じると夏が近いなぁと思う・・・
暗峠まで後半分ほどの地点で手打ちうどんののぼり発見。
手打ちうどん風舞。
凄く食べたいけどこの後の時間が読めないので、帰りにチャンスがあればと行きは我慢。
でも営業時間は3時までか~。
この手打ちうどん屋さんの手前に松尾芭蕉の碑があります。
1694年10月27日(元禄7年9月9日)、松尾芭蕉が奈良から大坂へ向かう途中この峠を通った。
このときに「菊の香に くらがり越ゆる 節句かな」という重陽の節句にちなんだ句が詠まれたといわれる。
by ウィキペディア。
この辺りから綺麗な棚田の風景が望めます。
ドローンを飛ばして撮影している方もいましたよ。
「暗峠のたまご」の看板発見。
残念ながら本日は売り切れとの事。
あ~棚田はいいなぁ~なんて眺めていると・・・
足元付近でガサガサと音がするので見てみると・・・
シマヘビだった。
田んぼには夏に向けて成長中の生き物がいっぱい。
ピンボケですがアマガエルへ成長過程のおたまじゃくし。
で、いよいよ暗越の手前までやってきました。
暗越の手前には友遊由というカフェがあります。
何かお土産になるものないかなぁと店内へ。
どうやら夏場はパンの販売をしていないもよう。
何かお土産になるものはと店内を見ていると。
汗だくの私を見かねてか、お店の方が冷えたお水を出してくれました。
一気に飲み干すと、再びお水を注いでくれそうだったので、いやいやもう大丈夫です。ありがとうと。
ここで美味しそうな自家製のマフィンと天然なちみつがあったのでそれを購入。
こちらがそのはちみつ。
まだ食べてないので感想はまた後程。
カフェを後にし、いよいよこのトンネルを抜けると暗越奈良街道。
短いトンネルを抜ける。
南生駒駅から歩くこと約1時間20分。
やっと到着です。
ここが暗越。
約50mほどと短いですが昔の石畳が残っております。
峠には茶屋があり、食事を頂くことが出来ます。
この日は5名ほどの方が茶屋で休憩をされていました。
時刻は午後2時。
多分この時間帯は人が少ないのかも。
みなさん午前中に登ってくるのですかね。
ここ暗越奈良街道は昭和63年8月10日に日本の道100選に選ばれました。
河内平野を横切り、生駒山地を越えて大阪と奈良側をむすぶ街道として、北から仲垣内越(なかがいとごえ)(古堤街道)、暗越(奈良街道)、十三峠越(じゅうさんとうげごえ)(十三街道)、亀ノ瀬越(かめのせごえ)(北八尾街道)などがあり、これらとは別に枝道としていく本もの山越えの道が古くからありました。
このなかで、生駒山頂の南側の鞍部(あんぶ)である暗峠(標高455m)を越える暗越奈良街道は、大阪と奈良間を最短距離でつなぐ八里八町(約34km)の道です。
日下の直越の道とともに奈良時代以前から利用されてきた古道の一つですが、江戸時代に入って本街道ではなく脇往還(わきおうかん)としてさかんに利用され、旅客・貨物の重要な交通路となりました。
この街道の難所である「暗峠」には石畳が敷かれ「河内名所図会」(1801年刊)に描かれているように「河内屋」「油屋」など20軒ちかくの茶屋や旅籠(はたご)があり、伊勢参りの人々でにぎわいをみせました。峠付近は石畳と石仏・道しるべ・石燈籠などがのこり、説明板の横にも「和州矢田山出迎地蔵尊」と刻む万延元年(1860)の道しるべ、磨滅した文政十年代の「おかげ燈籠」があります。
と記載されています。
石畳の暗越から50mほど進むと。
慈光寺という標識が。
ここから400mほど。
標識が指している方向を見てみるとなんと民家の間から山に向かう小さな道が。
えっ!この先にお寺があるのか?
こんな山の中に・・・
鬱蒼と茂る竹やぶの間をぬうような山道。
急に体感温度が下がる。
そして耳元では鬱陶しい蚊が飛ぶ音がまとわりつく。
人の気配が全くない。
倒木があったりして、結構荒れてるのかなぁと思っていると、反対側からハイキングの人達や子犬の散歩している地元のお年寄りなどが山を登ってきた。
なんだ、割と気軽に通る道なんだ。
山の中にお寺があるのかと思いきや。
どうやら人里に抜ける近道として山を抜けるみたい。
髪切山慈光寺に到着。
役行者が生駒山中で鬼を捕らえ、髪毛を切って改心させたの伝説から髪切山(こうきりさん)と呼ばれるのだそう。
その境内は大阪府の名勝に指定されており、江戸後期にはホトトギスの名所として知られるようになったとのこと。
苔の絨毯が心を癒やしてくれるとても静かな場所。
確かに暗越あたりではかなり近くでホトトギスの鳴き声を頻繁に聴きました。
この付近は野鳥が多いのでしょうね。
境内には野鳥塚がありました。
続いては弘法の水と笠塔婆に向かいます。
先程、暗越から慈光寺に向かって山道に入った脇道をまっすぐに500mほど進んで大阪側に下って行きます。
まぁこんな感じの道です。
道幅はとても狭いですが、車が往来する道です。
道幅ギリギリで車が峠を駆け上って行きます。
見えてきました弘法の水と笠塔婆。
なんでこんなにピントがボケているんだろうか?
谷あいから湧き出すこの澄水は、通称「弘法の水」と呼ばれ、毎朝一升瓶や水筒を持った人達が飲料水として汲みにくる姿が見られます。
生駒山地にそった標高400m前後の谷あいには、マグネシウムやカルシウム分の多い硬水脈が連なっていて、これが暗越奈良街道の難所、暗峠を前にしたこの場所に湧き出ているものです。
古代以来、ひんぱんに利用されてきたこの山道を通る人々の潤いの場所となっていたことでしょう。
かたわらに、何体かの石仏がある中に、右手奥に一きわ高い石柱があり、これはもと笠をのせた笠塔婆(高181cm)で、鎌倉時代中期の弘安7年(1284年)に建てられたもので、阿弥陀如来坐像の下に「南無阿弥陀仏」の六字名号を刻んでいます。
当時、旅人の安全を祈って建立されたものか、あるいは南東方の山中に存在した神感寺との関係があるかもしれません。
昭和53年6月23日、市の文化財として指定。
と記載されています。
こちらが弘法の水。
水質検査の結果、今は飲料水として飲むことは出来ないみたいです。
こちらが笠塔婆。
なんだかここに来てからオートフォーカスの調子が悪い。
何故だ。
時刻は午後3時。
そろそろ引き返そうと思います。
どうやら雨も降りそうだし。
日本の道100選である暗越奈良街道。
日本の道100選って他にどのような街道が指定されているのだろうか・・・
全部制覇をするという目標を目指すのも面白いかもなぁ。
なんて、以前、日本の棚田百選を訪れたときも同じ事を思ったなぁ。
ネットで調べてみると日本の道100選制覇を目指す方のブログを発見。
また日本の棚田百選達成の方も。
他にも日本の100選はたくさんあり、日本の滝百選とか日本百名湯とか日本百名橋とか。
何か目標を決めて旅をするのは楽しそうだ。
ではでは
近鉄南生駒駅から暗越奈良街道への詳しいルートを知りたい方は下記、生駒市の観光局のホームページにルートマップのPDFがありますので参考まで。
http://www.ikoma-kankou.jp/pdf/hiking_map_kuragari.pdf