WEBマーケティング
2015.02.02
企業メッセージの伝道者、その役割により、呼ばれ方が複雑なので整理してみました。
IT業界ではエバンジェリストと呼ばれる肩書きの方が存在します。新たな職種の肩書きです。
また最近マーケティング界隈ではアンバサダーとアドボケーツは何がどう違うのか、インフルエンサーとはどう違うのと言ったとかく混乱しがちな様々なカタカナが存在します。オピニオンリーダーってどんな人、ロイヤルカスタマーとはどのような人なの?
今一度整理してみたいと思います。
エバンジェリストとは
企業メッセージの伝道者ではありますが、その特徴は企業に属す、あるいは企業と契約をしている伝道者です。
セミナーや講演会などを通じて、複雑なIT技術を分かりやすく解説するのがエバンジェリストの仕事です。
セールスマンに近いニュアンスもありますが、製品やサービスを売るのではなく広報宣伝、PRをする役割に近く、更に中立の立場に立ってメリット、デメリット、効果、役割を解説し、広く世に伝えるための伝道者です。
アンバサダーとは
最近マーケティング界隈で良く聞くアンバサダー。企業メッセージの伝道者でありますが、企業に属さずその企業の熱烈なファン、愛好家としてブランドの魅力を語ってくれる顧客の事を言います。
身の回りの人やブログ、SNSで積極的に愛好しているブランドを無報酬で紹介、推奨を行う顧客の伝道者。これがアンバサダーです。
例えば、「石垣島に良く旅行に行く人が島の魅力を熱く紹介する」や「AppleユーザーがMacの魅力を熱く紹介する」などの行為を積極的にする人達の事です。
アドボケーツとは
アンバサダーとアドボケーツは非常に混乱しやすく、似通った意味を持つ伝道者です。
マーケティングジャーナルVol.34に掲載されている論文によるとアンバサダーは自ら製品やサービスを愛用しているのに対し、アドボケーツは製品・サービスを利用した経験がなくても、その企業の考え方に共感をし、社会に推奨する伝道者の事を言うようです。書籍「Brand Advocates」で紹介されている例によると「ボディショップを推奨するのは化粧品の品質テストに動物を使わないからで、ボディショップの店に足を踏み入れたことは一度もない」このように購入者でなくともブランドの推奨は可能であると紹介されています。
アンバサダーは基本的には購入者、利用者といった顧客であるのに対し、アドボケーツは必ずしも顧客とは言えない伝道者の事という解釈です。
インフルエンサーとは
アンバサダーと比べ世間一般的に社会的影響力が大きい伝道者の事。タレントやスポーツ選手、インターネットなどで大きな影響力を持つ人。
ブランドに対する熱量は様々でアンバサダーほどの熱量がない場合もあり、出身地と言う事で期間限定で観光大使を務めるタレントとかもインフルエンサーになるのだと思います。
オピニオンリーダーとは
三省堂の「大辞林」によるとオピニオンリーダーとは、世論や集団の意思形成に大きな影響力をもっている人。と紹介されていますが、
MBA用語集では顧客の購買行動に重要な影響を与える意見や感想を提供する人々。と紹介されています。
また、製品ライフサイクルにおいて、イノベータの次に製品を受容する購買層。アーリー・アダプタともいう。とも紹介されています。
どちらの意味でオピニオンリーダーという言葉を使うかでその内容は違うようです。
伝道者という意味のキーワードなのか、購買層を示すときのキーワードなのか、ともかくインフルエンサーよりも今後のトレンドを示す役割が大きい人という解釈で間違いなさそうです。
ロイヤルカスタマーとは
この人たちは伝道者ではありません、ブランドに対して忠誠心の高い顧客の事を意味します。
多額のお金を使ってくれる顧客という誤解をし易いですが、選挙でいう固定票です。決して浮気をせず、常に使い続け、リピートしていくれる顧客の事です。
まとめ
いかがだったでしょうか?マーケティング用語やIT用語ってトレンド毎に新たなキーワードが生まれます。
なんとなく言葉の意味は知っているが、明確に定義して使用しているかと言えばちょっと自信がないって事もありますよね。
また時代と共にその意味が微妙に変化するキーワードなんかも存在します。キュレーターなんて言葉もその一つ、インターネットでのキュレーターなのか、展示会の企画者としてのキュレーターなのか、最近では音楽フェスを企画する人もキュレーターと呼んでるらしいです。これって高橋幸広さんが言い出したのがきっかけなのでしょうか?
今回、様々な伝道者をご紹介いたしましたが、未だに解釈が曖昧になっているキーワードもあり、また違う解釈をしている方もいらっしゃるかもしれません。
現時点で有効な解釈を解説したつもりですが誤解を生むような個所があればご指摘いただければと思います。