ITトレンド
2015.05.07
経済産業省が公開した地域経済分析システム「RESAS」を紹介。
ビッグデータサイト「RESAS」が4月21日にオープンしました。
官公庁の開設したサイトとは思えないデザインですが、使い勝手やデータの見やすさはどうでしょうか。
Contents
今までのレポートとは全く違う、視覚性を意識したデザイン
ホームページを開くと、綺麗な花火の打ち上がる夜空をイメージしたトップページになっています。
非常にデザインや動きにこだわったサイトですが、これがビッグデータサイト「RESAS」です。
経済産業省のホームページデザインからは考えられない、今時なWEBデザインが目を引きます。
RESASサイトはこちら:https://resas.go.jp/#/13/13101
タッチ操作を意識したUI
実際にサイトを操作してみるとわかる通り、タッチ操作に重点を置いたUIになっています。
参照できるデータは大きく分けて、「人口マップ」「観光マップ」「自治体比較マップ」の3つがあります。
「人口マップ」からは人口の構成や増減、「観光マップ」からは流動人口や滞在人口の解析を見ることができます。
「自治体比較マップ」では経済構造や企業活動、労働環境、地方財政の項目が並んでおり、さらに細かいカテゴリ分けもされています。
左のマークをクリックして、メニューを開いてカテゴリや要点を絞っていきます。
結果はマップやグラフで表示され、右側のタブで詳細情報の検索を行うと、年代や職業別のデータを見ることができます。
なるべく文字表記を減らし、図や色で説明していることから、視覚的に理解できるように工夫されています。
人口マップでは未来の予測も見ることができる
人口マップのカテゴリの特徴として、一部のデータでは2040年までの予測データを表示させることも可能です。
例えば、人口増減を表したマップを見ると、2040年には全国規模で人口減少が起こる予測となっています。
各都道府県の観光スポットへの集客具合も表示
観光マップには、各都道府県の登録されている観光名所や施設がマップ上にポイントで表示されます。
さらに、メッシュ分析で観光客や移動人口の多い場所が色別に表示される為、ポイントと合わせて見ることで、どのポイントにどれだけの人が集まっているかわかります。
自治体同士の比較が可能
自治体比較マップを使用すると、他の自治体との様々な比較が可能です。
経済構造や産業活動、労働環境、地方財政といった4つのカテゴリが用意されています。
データは検索したい自治体のデータを表示するほか、比較したい自治体を選ぶことで、比較グラフを作成することや全国の自治体の中での順位を表示します。
はっきりとした数値やグラフで比較することで、改善点や強み、弱みを具体的に把握することができます。
下記ちょっと興味で東京都と大阪の一人当たりの賃金を調べて見ましたが、2割ほど違います。トホホ。
有効な活用にはデータアナリストが必要か
操作してみた感想としては、直感的な操作ができるように見えて、目的のデータが探しにくい印象を受けました。
また、マップデータはクリックしても詳細なデータが表示されるわけではありません。
操作方法のマニュアルも存在していますが、ボリュームがあるのですべてを理解するには時間がかかります。
また、これだけ膨大なオープンデータを各自治体や企業がうまく利用し、分析する為の知識やノウハウを持った「データアナリスト」が必要だと感じました。
平成25年6月に策定された「世界最先端IT国家創造宣言」の一環として、政府はビッグデータの活用を推進し、公共データのオープンデータ化を進めています。その取組の一つが地域経済分析システム「RESAS」の運用ですが、オープンデータ化とともに、「データアナリスト」の育成も今後の課題なのでしょう。
まずはみなさん一度使ってみてください。