Webサイトにキャッチコピーはなくてはならない?【キャッチコピー書き方のヒント】
2022.11.21
WEBサイト制作

Webサイトにキャッチコピーはなくてはならない?
新規でデザインを提案する際、私はキャッチコピーやコンセプトコピーをまず初めに考えることが多いです。
もちろんコーポレートの元々の企業コピーやリクルートスローガンなどがあれば別かも知れませんが、
それらがない場合は、コーポレートサイトならその企業を強く表すものであったり、リクルートサイトであれば求める人材に合わせた会社の方向性を表すようなコピーであったりを考えます。
最終段階のデザインで、考えたコピーが表に出てない場合もありますが、私自身コピーが好きなこともあって、そこからデザインを考えやすいというのがあります。
もちろんコピーを特に必要としない、例えばブランドサイトやポートフォリオサイトなどは、ロゴ+写真で十分に世界観を表現されているサイトも多い印象です。
サイトの種類や方向性によって、コピーを添えることでデザインがより強い訴求を表現することが可能になります。
コピーを大胆にMV使用しているサイト(オーバーサイズタイポグラフィ)
初めに、大胆にタイポグラフィをレイアウトしているwebサイトをいくつか簡単にご紹介。
写真やイラストを控えている分、メッセージが直球で届いてくる、インパクトの強い印象に仕上がります。
また、2022年のwebトレンドに「オーバーサイズタイポグラフィ」というものがあるようです。
今回調べていると、2020年のwebトレンドにも載っていた&グラフィックでもよく見る手法のひとつなので、今後も残っていくのではないでしょうか。
●株式会社10X
[出典]https://10x.co.jp/
他の情報を限りなく削ぎ落として、シンプルかつ洗練されたイメージ。
強いインパクトを与えられます。
●INTLOOP株式会社/リクルートサイト
[出典]https://www.intloop.com/recruit/career/
強いメッセージと、背景のグラデーションが採用への未知なる可能性が受け取れます。
求職者にイメージしてほしい指標がとてもよくわかります。
サイト毎に考える、いろいろなコピーの切り口
今回の記事を書くにあたり、ギャラリーサイトで改めていろんなサイトを見ましたが、
企業サイトでは、企業の強みだったりメッセージ、コンセプトがファーストビューに置かれていることがもっとも多い印象でした。ブランドサイトやサービスサイトではサービスや商品を一言で言い表しているコピー、または、コピー自体ないサイトも見かけました。
いろんな切り口のコピーがあったので、ご紹介いたします。
①情緒・感情に訴える
[出典]西岡会計事務所
BtoC事業や医療・クリニック関係はエンドユーザーに向けてのメッセージが多い印象。
お客様や患者さんとの関係性、人と人との繋がりや想いを汲み取ったものがたくさんありました。
ここで重要なのはユーザーに自分ごととして意識を持ってもらえるかです。
「弊社はこのようなサービスができます!」より、「このサービスであなたの○○を解決します!」というイメージです。
●同様の切り口のサイト
サイトコピー:「ずっと一緒」をかたちづくる。
②事実を伝える
[出典]家づくりのあるあるFACT BOOK 2022|戸建住宅|積水ハウス
実際の数字や事実を出すことは効果的な切り口のひとつです。
具体的になればなるほど、ユーザーは自分ごととして捉えやすくなります。こちらは他にもLPなどによく見られます。
③言葉を繰り返す
[出典]有福温泉ポータルサイト
同じリズム感の言葉を繰り返す手法です。スッと入ってきやすいですよね。
ご紹介したサイトでは「自遊」という造語も、サイトのコンセプトをより強く届けてくれます。意外にも(?)この切り口のコーポレートサイトも多くあった印象です。
●同様の切り口のサイト
サイトコピー:集まる、つながる、解決する
サイトコピー:つくるを支える
④問いかける
[出典]株式会社プロバンクホーム
問いかけるようなコピーで「ん?」という引っ掛かりができ、その先の答えを知りたくなります。
ご紹介したサイトでは、よくあるユーザーへの問いかけのような「例:お困りのことはありませんか?」とは違った、自社や業界への自問自答のような意見広告のような雰囲気も感じ取れます。
⑤字面にこだわる
[出典]NUAN(ニュアン)|クラシエ
コピーをすべてひらがなに、オノマトペも入れることで、コピー自体がかわいい要素を後押ししています。
同時に商品説明にもなっているのが面白いなと思いました。丸みのあるフォントの印象も大きいかもしれませんが、明朝でもきっとかわいい。
●同様の切り口のサイト
サイトコピー:本日、和菓子日和。
上のNUANと逆ですべて漢字表記のコピー。
コピーだけ見ると固いイメージを受けますが、普段人がよく目にする文章は漢字と平仮名が入り混じっているので、
ちょっとした引っ掛かりを持たせることができると思います。
⑥四字熟語や誰もが共通認識の言葉を借りる
こちらは当てはまっているサイトが見つからなかったのですが、だれでも共通認識で知っているもの、四字熟語や流行語を一文字だけ変えるなどすると覚えてもらいやすいです。ちょっとダジャレみたいな感じですかね。
共通認識で言うと、童話作品も表現方法のひとつかなと思います(例:auのCM etc…)。
こちらの手法はwebサイトというより、商品名の方が多いかもしれません(例:休足時間 etc…)。
キャッチコピー書き方のヒント
いろいろな切り口いかがでしたか?
いざ、いきなりコピーを書けと言われても難しいので、ライティングの際の参考になれば◎
書き出してみると、同じ意味の言葉でも言い回しを変えたり言葉尻を変える、あるいは漢字をあえて平仮名やカタカナにしてみるだけでグッとユーザーのインサイトを刺激できる言葉になったりします。
さきほどご紹介した切り口などを参考にコピーを書き出してみましょう。
キャッチコピーを書いてみよう
⑴前提として、短く端的にまとめる&ウソをつかない
基本はシンプルイズベスト。文なのですが、一瞬で理解できることが大事です。
Webサイトにおいては、なにか興味を持ってそのサイトに訪れているはずですが、たとえ一生懸命考えても興味がないと、長い文を人は読んでくれません。長くてもユーザーを刺激できる、さらに読ませたくなる文章であるかどうかを考えると、さらに難しくなってしまいます。
また、嘘を言わないこと。透けて見えた瞬間、現実感がなくなり白々しくなってしまいます。
⑵キーワード(材料)を書き出す
アナログでもデジタルでもとりあえずどんどん掃き出していきます。私はデジタルで打つより、アナログの方が早いのでペンで書いていました。
また、コーポレートであればユーザーとの関わりであったり、商品であればそれにすべての年代で関わっているシチュエーションや関わりを一度考えてみます。
⑶キーワードをくっつけたり、離したり、合体させたりする
出てきたキーワードをブロックみたいにくっつけたり、言い回しを変えてみたり…
言い回しの例で言うと、「暖かい」「あたたかい」「あったかい」「あったか~い」でもニュアンスが異なってきます。自販機の刷り込みか「あったか~い」が一番あったかいほっこりしたイメージを抱いてしまいます。
そんな感じでキャッチコピーを作ってみましょう。
商品であれば、それを購入したくなるか?サービスであれば、一言でそれを言い得ているか?利用したくなるか?など自分がユーザーの視点を取り組みます。
行き詰まったらまた⑵に戻って、キーワードを探ってみます。これが意外と自分ではもうこれ以上深掘りできない、と思っていてもブレストすると他の人から自分では思い付かなかった切り口やアプローチ方法がたくさんあったりします。
⑷声に出して読んでみる
次にいいなと思うコピーができたら、声に出して読みます。
実際読んでみると、「変だな?」とか「説明くさいな」などなど言葉のリズム感など、字面を追っているだけでは把握できなかったことが案外見えてきます。
さいごに
新聞に挟まれている折り込みも、一度だけ行った店からずっと届くDMも、好きなドラマの間のCMも、好んで見る人は少ないと思います。ですがWebだと他の媒体と比べて、表現の幅こそ狭まるかもしれませんが、ユーザーにコンセプトが届きやすい環境だと思っています。
また、有名キャッチコピーなどは、一文でその情景が浮かぶような、短い小説を読んでいるような気分にさせてくれたり、面白いものがたくさんあるので、他にも見てみてください◎
ちなみに、冒頭のお話に出ていたコピーの公募は宣伝会議賞というコピーライターの登竜門になっている公募です。 今年の応募期間はちょうど終わってしまっているのですが、来年の挑戦ぜひいかがでしょうか?