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ITトレンド

2017.03.17

統計を紐解くとこんなに面白い!「生活定点」はマーケティングの参考になる?

統計を紐解くとこんなに面白い!「生活定点」はマーケティングの参考になる?

博報堂が公開している生活者観測データを扱うサイト「生活定点」をご存知ですか?
このサイトでは、博報堂生活総合研究所が隔年で独自に行った定点観測調査の結果を公開していますが、その内容が非常に興味深い!
物事の意外な関係性を探る参考になるので、マーケティングに使えるサイトなのかも。
使い方は簡単で、誰でも興味のあるデータを閲覧できますよ。

いろんなジャンルの統計データがフレンドリーなデザインで掲載されている

http://seikatsusoken.jp/teiten/search/


通常統計データを扱うサイトは堅苦しいイメージが強く、使いにくい気がしますよね。
しかし「生活定点」はパッと見てもそうした難しい感じがしない作りになっています。
フォントや色味が温かい印象を持たせ、わかりやすい名称が並んでいるからでしょうか。

またデータ量もかなり多く、20年以上蓄積されているそうです。
アンケートの内容は多岐に渡り、年を変えて同じ内容を繰り返すことで、人々の趣向や意識がどう変わったかを見ることができます。

アンケート結果のグラフが見やすい

http://seikatsusoken.jp/teiten/answer/113.html


データの見やすさというのは検証する際に非常に重要なポイント。
前年度比や初回との差は数値として明記され、解説文もあります。
この解説はプログラムで生成されていますが、とても自然で読みやすいです。
グラフは性別や年代別、地域別なども表示させることができるため、より細かい分布を知ることができます。

例えば「衣生活が人と違っていたらどう思いますか?」という質問に対して「人と違っていても気にならない」と答える人は上の画像の通り65.1%となっています。

(男女別比較グラフ)

男女別で見ると調査年での違いはなく推移しており、男性の方が気にならない人が多いようです。

(地域別比較グラフ)

地域別の差はほぼないと言えます。
イメージ的には関西圏のほうが他人の目を気にしない度合いが強そうだったので、この結果は少し意外かもしれません。

グラフ右上にあるハンバーガーメニュー(3本線)をクリックするとPDFや画像データ、CSVまでダウンロード可能になってる点はかなり親切。
ユーザーの活用しやすい形式で保存して、自分のプレゼン資料などに使えます。

※意図的にグラフの数値を変えるなどの編集は禁止されています。

グラフ変化の近い事象をチェックして関連性を探る

ただデータを眺めるだけでは新しい発見は見つかりにくいですが、「生活定点」では探しているデータの検索結果と一緒に、グラフの増減を解析して同じ動きをしているデータを表示してくれます。

先程の「衣生活が人と違っていたらどう思いますか?」という質問のグラフと似た動きをしているものとして「健康・リラックスにかかるお金を節約したい」と考える50代の女性や「子供のための教養・勉強にかかるお金を節約したい」と答えた50代全般のデータが挙がっています。

このことから
「もしかしたら衣生活が人と違ってもいいから節約したいと考える人は50代が多いのかな?」
という想像もできます。
もちろん、たまたまアンケートの結果がそうなっただけで関連性が全然ないこともありますが、推察して実行に移してみるとなにか結果が生まれるかもしれません。
人々が何を求めて、どんな傾向にあるのかを考えることが新しいことを始めるきっかけになるかも。

データ利用に関する注意点

http://seikatsusoken.jp/teiten/about.html#overview


「生活定点」で公開されているデータの利用は基本的に自由ですが、出典元としてと明記することが大前提です。
また、首都圏と関西圏のデータだけですので、全国的なものではありません。

データを使う際にはこうした前提条件をしっかり確認しておかないと問題になるので、気をつけましょう。

マーケッターが市場の動向を考えるツールとして使えるかも


他のジャンルがどうなっているかわからず、まして関連性を見出すことは難しいです。
しかし、「生活定点」を見ればデータはすっきりまとまっている上、グラフの形が類似しているだけの全く関係のないジャンルのデータを発見することができます。
今まで想像もつかなかった事象との関係性からビジネスチャンスが生まれそう。
そうなると、データをより深掘りして、独自の調査ができる力がマーケッターには要求される時代になります。

マーケティングにおいてはこうしたある種のひらめきが必要な場面もありますので、興味がある分野についていろいろ普段から調べてみてはいかがでしょうか。
今後「生活定点」のような形でビッグデータの活用がされていけば、もっとリアルタイムで多様性持ったデータや関連性が見つかりそうです。


画像は博報堂生活総研「生活定点」より
グラフ出典元【博報堂生活総合研究所「生活定点」調査】
http://seikatsusoken.jp/teiten/

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