大阪のデザイン文化を支える「大阪デザインセンター」はデザイナーと企業を結ぶ架け橋
2015.11.23
ビジネス

目次
企業の求めるデザイナーをマッチングするノウハウが豊富
「大阪デザインセンターの強みは財団法人として長年様々な企業と関わってきた、ノウハウの蓄積があること」と語るのはマッチング業務を行うコーディネーターの釜田さん。
マッチング相談一つをとっても、ただ登録デザイナーから自動的にマッチした人を紹介するわけではなく、各デザイナーの得意分野や強味を把握したコーディネーターが、相談企業の今後のデザイン戦略など、課題テーマをしっかりと受け取り、お互いに良い関係を築けるようにサポートしているとのこと。
また、ミスマッチを避けるための対策として、フェイスtoフェイスでの関係にこだわりをもっているとの事、登録デザイナーの人となりを知るには直接会って話をする場を沢山設けることだそうです。
インターネット上でマッチングを行うサイトなどがありますが、いざ業務を進めてみるとイメージと違う場合や人同士の間隔が合わないこともしばしば。
こういったことが起こらないよう、コーディネーターはしっかりと顔を合わせて話し合うことが重要なのだと。利便性やサービスの充実ばかりを追うのではなく、コミュニケーションの充実でデザイナーからも企業側からも信頼される施設を目指しておられます。
400名以上ものデザイナーを把握し、しっかりと企業ごとの悩みや分野を考慮して、対面紹介してもらえるのは安心できますね。
デザインマッチングの事例はこちら
デザイナー発信の商品の成功例も
デザイナーが活躍できる場所は企業からの依頼だけではありません。
自分のアイデアを逆に持ち込んで、商品化した事案もあります。
ただし、デザイナー自身で制作依頼し販路を確保する必要があることや、在庫をかかえるなどのリスクもあります。
ですが、うまくいけば自分の大きな実績につながるため、チャレンジする方もいます。
「大阪デザインセンター」では相談受付の他に、ショーケースを設けてそういった方々の商品展示なども行い、積極的にデザイナーの販路支援も行っています。
デザイン販売ショーケース「URIMA」
大阪から世界で活躍できるデザイナーを
国内だけでなく海外の動向調査にスタッフ自ら足を運ぶこともあり、国外を意識した活動も行なっている。
具体的に世界に出ていけるようなアプローチ方法を模索中とのこと。
またデザイナーを育てる事業にも力を入れており、有名デザイナー起用した講習会やイベントを大阪や東京で随時行なっています。
将来的には、海外への販路やプロモーション方法などを含めて情報展開したいと考えているそうです。
中小企業とデザイナーには積極的に利用してもらいたい施設、それが「大阪デザインセンター」
もともと「大阪デザインセンター」は大阪の商人たちが1960年に、デザインというものが重要な時代がくることを見越して設立したもので、マッチング業務自体も1990年ごろから始まりました。
業務を通じて、デザイナーの価値を上げていくことも目標にされており、仕事が適正な価格で行われるようなアドバイスなどもされています。
大阪デザインセンターが当時発行していた機関誌などの資料も保管されており、表4には当時の広告が。ここにもデザインの歴史を垣間見ることができます。
展示物もあり、実際に手にとって見ることも可能。
結構変わったものもいろいろありますよ。公益社団法人 日本インダストリアルデザイナー協会が収集している優れたデザイン商品を常時展示しています。
展示物の中で気になったヘルメットをかぶってみました。
こちらはDICプラスチック株式会社様が開発した折りたたみ式防災用ヘルメット「IZANO」。
折りたたんでコンパクトに収納でき、かつ性能もプロ仕様。
このサイズなら机の下に入れても邪魔になりにくい。利便性と機能をデザインにより両立させてます。
http://www.dic-plas.co.jp/products/helmet/izano/index.html
大阪のデザイン業界について熱く語れる人がいる「大阪デザインセンター」。
相談には予約が必要ですが、困りごとや悩み事がある人は一度利用してみてください。きっと新しいアイデアや解決策、パートナーを見つけられるはずです。
今後もより多くの人が活用し、大阪のデザイン分野の発展とデザイナーの地位の向上につながればいいですね。