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ノーコードツール+AIでサイト制作は安くなる?意外な落とし穴をプロが解説

2025.11.26

WEBサイト制作

ノーコードツール+AIでサイト制作は安くなる?意外な落とし穴をプロが解説
ここ数年でChatGPTやGoogle geminiなどの生成AIが一般化し、STUDIO、Wix、Webflowといったノーコードツールも高機能化したことで、
「自社でもAIとノーコードツールを使って、安くホームページを作れるのでは?」と考える企業があるかもしれません。

しかし、結論から言うと「ノーコードツール+AIを使えばサイト制作が劇的に安くなる」というのは半分正解で半分間違いです。
むしろ、使い方を間違えると 通常の制作よりコストがかかる可能性も考えられます。

この記事では、なぜそうなるのか、どういったケースならノーコードツール+AIで費用を抑えられるのかを解説します。

ノーコードツール+AIが注目される理由

近頃、ノーコードツールは驚くほど進化しています。
テンプレートのクオリティが上がり、誰でもある程度のレベルのデザインでのページ作成が可能になりました。
さらに生成AIの進化によって文章作成・画像生成も行えるため、「これなら自社内で簡単に安く作れそうだ」と思える状況が整いつつあります。

特に中小企業では、

  • ・ホームページ制作費用をなるべく抑えたい
  • ・更新を外注したくない
  • ・スピード重視で情報発信したい
といった背景から、ノーコードツール+AIを活用したホームページ制作の期待値が上がっています。

ホームページ制作の本当のコストはデザインや原稿作成ではない

実際のホームページ制作で費用が発生するポイントは、デザインそのものより「要件定義」「構成」「導線設計」「情報整理」「ブランド戦略」といった頭を使う部分です。
AIやテンプレートでは、それらを肩代わりすることができません。
なぜ安くならないのかの主な理由は以下の点が挙げられます。

テンプレートで作るとブランドの独自性が出しづらい

企業サイトは自社の強みや特徴を視覚的にもユーザーに訴えることが重要です。
デザインテンプレートを当て込むだけでは、

  • ・どこかで見たことのあるデザイン
  • ・訴求ポイントが弱い
  • ・コンバージョンへの導線が最適化されていない
  • ・デザインがブランドにそぐわない
などの問題が起きやすく、成果に結びつくかが怪しくなります。
そうなると結果的にプロの見直しが必要になる可能性が高いです。
実際にテンプレートでWEB制作をしたものの、収拾がつかなくなり結果的に弊社にご依頼をいただいたケースもありました。

設計・導線・SEO対策はAIでは代替しづらい

AIは文章を生成できますが、

  • ・企業文化やカラーをどう伝えるか
  • ・ブランディング戦略
  • ・ユーザーがどのような経路で問い合わせに至るか
  • ・どういった構成がSEOに強いか
といった部分までは自動化できません。
また生成内容に一貫性が無いため、頼りすぎるのはリスクがあります。
つまり、企業サイトの戦略や方向性、本質的な価値を決める部分は、最終的には人間の判断が必要です。

ノーコードツールは簡単に見えて、意外に手間がかかる

STUDIOやWixは誰でも簡単にホームページが作れると言われますが実際には、

  • ・レスポンシブでのレイアウト崩れの調整
  • ・フォントやカラーといったトーン&マナーの統一
  • ・SEO対策
  • ・画像の軽量化
  • ・構造化データの設定
  • ・アクセシビリティ
などなど、細かな設定や専門知識も必要で、慣れていないと時間がかかります。
結果的に学習コストや工数がかかり、安くならないというケースが多いです。

ノーコードツール+AIが費用を下げるケース

しかし、全てがダメなわけではありません。
以下のような条件では、ノーコードツール+AIが効果を発揮します。

現状すでに社内に専門知識を有したWEB担当者がいる

上記セクションで挙げたような専門知識やスキルを有した専任スタッフがすでに社内にいる場合は、ホームページ制作から運用までのすべての行程を社内で行えるため、大きな効果が期待できます。
サイトを作ることをゴールとするのではなく、その後の問題提起や課題解決などを社内で行い、補助的にノーコードツール+AIを活用するという体制であれば強い味方になると思います。

個人事業・小規模サイトで最低限の機能があればいい場合

スタートアップ・店舗・個人事業など「最低限の名刺代わりのサイトがあればいい」というケースにおいてはノーコードツール+AIは有効な手段の一つと考えることができます。

このようにノーコードツール+AIを制作費の削減や成果を上げるツールではなく、スピードアップに重点を置いた時短ツールとして使い、その浮いた時間を戦略的な行程に費やすことが大切です。

ノーコードツール+AIで失敗する例

要件を整理せずにいきなり作り始める
ページ構造が崩れ、ごちゃごちゃしたカオスなサイトに…

専任の担当者が不在
サイトの運用・更新が止まり、ノーコードツールの利点がなくなる。 結果的に外注することに…

AI文章をそのまま掲載
表現がチグハグで違和感のあるライティングでブランドイメージやSEOにも影響が…

デザインテンプレート依存で企業らしさが出ない
会社の強みを伝えられず、逆に信用性がなくなり、問い合わせにつながらない

まとめ ノーコードツール+AIは使い分けがカギ

ノーコードツール+AIは確かに便利ですが、企業サイトの本質である 情報設計・導線設計・ブランド戦略・SEO戦略などは自動化することができず、人間の最終判断が不可欠です。
とはいえ、うまく使いこなせば運用コストを下げ、成果を高める強力なツールになります。
つまり金額面で安価に抑えたいという理由だけで選ぶのではなく、使い分けが重要です。

  • ・仕様策定や構成の設計
  • ・SEO対策やサイト導線の最適化
  • ・AIで生成したコンテンツの品質管理
  • ・課題や解決策の明確化
  • ・運用の仕組みづくり
これらはAIが進化しても人間の行うべき役割です。
その考え方を持つ企業が、ノーコードツール+AIを本当の武器にできるのではないでしょうか。

 

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