WEBサイト制作
2014.09.08
WEBサイト作成時のライセンスについて
WEB制作をする上で、インターネット上に無料の素材が配布されています。
それはフォントや写真、イラスト、プログラムに至るまでタダで入手することができます。
ただし、実は配布されているものにはそれぞれ何らかのライセンスが設定されているため、それらのライセンス規約に従うことが著作権侵害を未然に防ぐ事につながります。
MIT、GPL、CCなど聞き慣れない略語のライセンスがありますが、主要なライセンスの解説と、実際にそのライセンスが設定されているソフトやデータ等をご紹介します。
Contents
GPL(GNU General Public License)
GPLはプログラムの複製物を所持しているものに対して、概ね以下を許諾するライセンスです。
- 1.プログラムの実行
- 2.プログラムの動作を調べ、それを改変すること(ソースコードへのアクセスは、その前提になる)
- 3.複製物の再頒布
- 4.プログラムを改良し、改良を公衆にリリースする権利(ソースコードへのアクセスは、その前提になる)
商用は可能、ソースの複製、改変、配布が可能です(ただしGPLライセンスは継承)
著作権表示、無保証であること、ライセンス条文の標記が義務付けられます。
実際にGPLが設定されているものには
- ・Linux
- ・WordPress
- ・MovableType(オープンソース版)
- ・EC-CUBE(オープンソース版)
などがあります。
参考:http://www.gnu.org/licenses/gpl.html
LGPL(GNU Lesser General Public License)
他のプログラムにリンクされることを前提としたライブラリのためのライセンスとして作成されました。
GPLと名称が似ているので、違いが分かりにくいですが、主な相違点は、他のプログラムにリンクする場合、GPLだと二次著作物を同一の許諾条項に置くため、ライセンスの強制力が強いので、ライブラリ(ソフトウェアのパーツ部分)のためのライセンスとして制約が緩く設定されています。
再配布しない場合はソースコードを無制限に使用することができます。
商用可能、ソースの複製、改変、配布が可能(ただしソースは公開しなければならない)
実際にLGPLが設定されているソフトに
- ・OpenOffice
があります。
参考:http://www.gnu.org/copyleft/lesser.html
MIT License(X11 License または XLicenseと表記されることもある。)
マサチューセッツ工科大学を起源とする代表的なソフトウェアライセンス。
主な特徴は次の通りです。
1.このソフトウェアを誰でも無償で無制限に扱って良い。ただし、著作権表示および本許諾表示をソフトウェアのすべての複製または重要な部分に記載しなければならない。
2.作者または著作権者は、ソフトウェアに関してなんら責任を負わない。
商用可能、ソースの扱いは無制限という非常に緩いライセンスです。
- ・prototype.js
- ・jQuery
などに設定されています。
参考:http://sourceforge.jp/projects/opensource/wiki/licenses%2FMIT_license
BSD(Berkeley Software Distribution License)
非常に緩いライセンスです。
「無保証」であることの明記と著作権表示を再配布の条件とするライセンスです。この条件さえ満たせば、BSDライセンスのソースコードを複製・改変して作成したものをソースコードを公開せずに配布できます。
ただし、BSDライセンスにはいくつか種類があり、ライセンス条文内の条項の数によって区分されています。
「オリジナルBSDライセンス」と「修正済みBSDライセンス」があり、オリジナルにはもともと、「謝辞として初期開発者を表示する事」という条件が付いていました。しかし、ほとんど広告的な意味となるので、その条項を削除し、発表したものが「修正済みBSDライセンス」です。
商用可能、ソースの複製、改変、配布可能
著作権表示、無保証であること、ライセンス条文の標記が義務付けられます。
実際にBSDが設定されているものには
- ・Firebug
- ・Opera Dragonfly
などが挙げられます。
参考:http://sourceforge.jp/projects/opensource/wiki/licenses%2Fnew_BSD_license
CC(Creative Commons)
著作物全般に使用できるライセンス。
著作権者のクレジット表記が絶対条件とされ、他に3つの使用条件を組み合わせることで、著作権者の希望のライセンスを明示できます。
著作権者の希望のライセンスが適用されるという特性上、商用は場合によります
ライセンスマークが必須
ライセンスマーク
表示(BY) | 原著作権者のクレジットを明記しなければいけません。 |
非営利(NC) | この作品を営利目的で利用してはいけません。 |
改変禁止(ND) | この作品を改変・変形または加工してはいけません。 |
継承(SA) | この作品を改変・変形または加工した場合、その制作品をこの作品と同一の許諾条件でのみ、頒布することができます。 |
上記のうち、「改変禁止」と「継承」は同時に採用できません。
また、全てを採用しないこともできません。実際には組み合わせは以下の6通りになっています。
- 表示(CC BY)
- 表示-改変禁止(CC BY-ND)
- 表示-継承(CC BY-SA)
- 表示-非営利(CC BY-NC)
- 表示-非営利-改変禁止(CC BY-NC-ND)
- 表示-非営利-継承(CC BY-NC-SA)
まとめ
いかがでしたでしょうか?
普段何気にダウンロードして改変しているコードや素材にも実はライセンスという制約が存在します。
制約を守ることが著作者へ敬意を払うことにつながりますし、自らが作成した著作物を保護してくれるものでもあります。著作者と利用者のお互いがライセンスについて理解し、確認することでよりよいWEB制作を心がけたいと思います。
とはいえ、全容を理解するのにはまだまだ時間がかかりそうだと思いました。